ランサムウェア対策 予算別ロードマップ

― 限られた予算でも「止まらない企業」を実現するために ―

はじめに|ランサムウェア対策は「一気に全部」やらなくていい

ランサムウェア対策というと、

  • 高額なセキュリティ製品
  • 専門エンジニア
  • 大規模なシステム刷新

を想像されがちですが、それは最終段階の話です。
重要なのは、

👉 限られた予算で、最も効果の高い順に対策すること
です。このロードマップでは、企業規模を問わず使えるよう予算別に「今やるべきこと」を整理します。

フェーズ0:予算ほぼゼロ(0円〜)

目的

「侵入と被害拡大を最小限に抑える」最低限の備え

✔ 必須対策(すぐできる)

  • OS・ソフトウェアを最新状態にする
  • 不要なリモート接続(RDP等)を停止
  • 管理者権限アカウントを日常利用しない
  • バックアップが「取れているか」確認する
  • 社員へ簡単な注意喚起(怪しいメールを開かない)

💡 ポイント

  • 多くの被害企業は、ここが未実施
  • 「何もしていない」状態からの脱却が最重要

👉 被害確率を一気に下げるフェーズ

フェーズ1:低予算(月数千円〜数万円)

目的

「侵入させにくくし、感染に気づける状態」を作る

✔ 実施すべき対策

  • 多要素認証(MFA)の有効化(メール/VPN)
  • メールの迷惑・フィッシング対策強化
  • クラウド・NASの世代管理バックアップ有効化
  • 社内PCのウイルス対策を最新に
  • IT資産(PC・サーバー)を一覧化

💡 ポイント

  • 費用対効果が最も高いゾーン
  • クラウドサービスの標準機能で実現できるものが多い

👉 「侵入しづらく、すぐ気づく」状態へ

フェーズ2:中予算(月数万円〜数十万円

目的

「止まらない設計」へ近づける

✔ 実施すべき対策

  • ネットワークの分割(EC/基幹/倉庫など)
  • EDR(挙動検知型セキュリティ)の導入
  • バックアップのオフライン化
  • ログの集中管理(最低限)
  • インシデント対応手順書(簡易版)作成

💡 ポイント

  • ここからが「本格対策」
  • 1台侵入されても全社停止しない構成が可能

👉 「侵入されても被害を抑える」段階

フェーズ3:高予算(月数十万円〜)

目的

「侵入前提で守り切る」体制を作る

✔ 実施すべき対策

  • SOC(24時間監視)導入
  • SIEM/XDRによる相関分析
  • ゼロトラスト(ZTNA)設計
  • OT/物流システム専用防御
  • 定期的なセキュリティ演習

💡 ポイント

  • 経営・IT・現場を含めた「組織対策」
  • 大規模EC・物流・製造業向け

👉 「止めない」から「守り切る」フェーズ

フェーズ別まとめ(早見表)

フェーズ予算感
00円〜最低限の防御
1〜数万円侵入しにくくする
2〜数十万円被害を広げない
3数十万円〜侵入前提で守る

よくある誤解

❌「予算がないから何もできない」

間違い:最も重要な対策は「設定」と「運用」。

❌「全部揃ってから始める」

危険:対策は段階的でよい

❌「IT部門だけの問題」

致命的:ランサムウェアは経営リスク

まとめ|正解は「今の予算で、今できる最善」

ランサムウェア対策に唯一の正解はありません。

しかし、

  • 何もしない
  • 先送りする

これだけは、最悪の選択です。

👉 重要なのは「今の予算で、何を優先するか」

このロードマップを使い、

  1. 現状を把握し
  2. フェーズを決め
  3. 段階的に進める

それが、止まらない企業を作る最短ルートです。